高野秀行 「ワセダ三畳青春記」

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)

無人島に行ったらなんのCD持って行くか、みたいな話しをたまに聞いたり見たりするけど、本なら私はコレを持ってくね!というくらい、ハートをつかまれました。やられました。

これを読んだきっかけは、イヌガヨじゃっく君のブログで高野秀行氏の事を読んで面白そう!って気になっていたところを、吉祥寺のブックオフでたまたま発見。
目に留まった綺麗な水色の本が偶然にも高野秀行氏のだった事。
本に出会うきっかけってほんとにおもしろいね。しゃれじゃないよ。


最初は夜お風呂に浸かっての楽しみとして、ちびちびともったいぶって読んでたんだけど、(とにかくツボでおかしくって笑える!)、そのうち持ち歩いて通勤の合間の楽しみになった。
ちなみに、会社までは東西線を使っているので早稲田駅に停車した時に、そういやタイトル…と気付いた時は「ハッ!」となって少し恥ずかしかった。

ちょこちょこ電車で読んでたけど、後半、というかラスト第六章はまたお風呂で読んだ。
なぜなら、こっそり楽しみたかったからです。
そこには青春がたっぷり詰まっていて、笑みを浮かべてラストは涙を流して読んでしまった。
だいぶんきもちわるい。
と自分でも思うし、この面白い本で涙がでるなんて思わなかったからびっくりした。

自分が上京して甲州街道と環七の交差する辺りで四畳半同棲生活をしていたのをなつかしく思う。
振り返ればとても素敵な日々だったので、あれは私の青春物語だったのかな。
アパートも、やっぱり○○荘という名前だったし。人間らしい生活で。

と、たったの四年半でもそんな感じなのだから、三畳間に11年間(すごい!)、しかも強烈な個性の住人や仲間と過ごした日々って、、、それを考えただけで青春度合いが非常に濃いですわ。
初恋のくだりは、夢中で読んだ。
それまでおちゃらけてたのが、急にまっすぐ真正面からぐいぐい来たので、そのままぐいぐい引き込まれてしまった。33歳になろうとする頃に初恋ってのがまたいいんです。

そんな感じで、嘘偽りの無い100%青春記をごちそうになった。
これからもいただきます。