明日が来ない人

元、職場仲間の、いつもパンク精神丸出しだけど信頼できるおじさんと飲んだ。
だいたい1年か2年ごとに、お互いの近況を話して飲んで盛り上がる。


今日も、好きな映画とか小説の話をして、あーだこーだくだらない事言いながら笑ってたら、そういえば、○○○が死んだんだよ、と言う。

○○○とは、同じ職場仲間の人で俳優みたいにカッコよくて常にモテモテで社内の女の子を困らせる色男で、なんかまた突然意味分からない冗談を言うなーと思ってウケてたら、いや、ほんとなんだよ、と言う。
どうにも信じられなくて、だから全然つまらないですよ、それ!とか何度かそんなやり取りを続ける。信じたくないってのもあって抵抗したけど、おじさんはしつこいくらいに同じ返答しかしないし、涙目になってるのを見て、もう信じるしかなくなる。
去年あいつ、自殺したんだ、と言う。言葉が渦になる。

おじさんから悲しいことがあった、とは聞いていた。
正直、またおねえちゃんにフラれでもしたんだろうな、程度に思っていた。
でも、予想とは全然ちがって、本当に悲しいことだった。


昔から周りにそういうのが多いからある程度は慣れてるけど今回は身近すぎてちょっとね、と、おじさんはさみしそうに言う。
遺書にも俺がでてくるんだぜ?とか、無理やり可笑しい感じで言う。
私は全然慣れてないけど、人より気丈だと言う事を知っているのでそのニュースを教えてくれたようだ。確かに元同期の仲間には言えない。みんな繊細だから。


2人は東京の地元もすぐ近くのほんとに仲良しだったから、おじさんの事を考えるともうやるせない。
ってか、震災で、生きたくても命を落とした人はどうなのよ?とか、そのうちだんだん身勝手な○○○さんにムカムカと腹が立ってきて(今も!)、あいつはほんとの大ばか者だな!とか悪口いっぱい言い合って飲んで帰ってきた。でも、スッキリしない。
世知辛い世の中だけど、その選択ってのは全然フェアじゃないので。
あぁもうバーカ!!!!!!眠れない。